
谷中の路地で創業
創業者 2 名、仏壇修理と茶碗の金継ぎから
山口と鈴木のふたりが、谷中の路地奥 12 平米の小さな作業場から inconstantpompe.com を始めます。当時の名刺には「壊れたら、直す。直したら、使う。」とだけ書かれていました。
inconstantpompe.com は、東京・谷中の路地裏から始まりました。最初は 2 人の修復師と、陶磁器の欠けを直す小さな作業台。それが今は 13 名の修復師と、素材別の専門工房を擁するアンティーク修復の拠点になっています。
私たちの歴史 / 私たちの歩み
1987 年の春、東京・谷中の細い路地奥で、inconstantpompe.com は産声をあげました。創業者は現在シニア修復師として工房に籍を置く山口健太郎と、後に漆工房を立ち上げる鈴木修一のふたり。当時は仏壇の修理と、日常使いの茶碗の金継ぎが主たる仕事でした。
1990 年代に入ると、所蔵家の方々から「婚礼衣裳を直したい」「掛け軸の痛みを見てほしい」というご要望が増え、繊維・絵画の修復師をひとりずつ採用。工房は路地から少し広い通りへと移転します。修復の依頼は次第に、地方の所蔵家・画廊・地方博物館へと広がっていきました。
2010 年代からは、所蔵品のアトリビューション(作者・年代の同定)へのご要望も増えてきました。XRF と電子顕微鏡を導入し、素材科学の観点から修復プランを組み立てる「ラボ連携型」の工房へと少しずつ姿を変えていきます。inconstantpompe.com の今があるのは、38 年間通ってくださった所蔵家と、ともに手を動かしてくれた修復師のおかげです。
「接着しない。
記憶を、復元する。」
2025 年現在、inconstantpompe.com には 13 名の修復師と 4 名のラボスタッフが在籍し、陶磁器・漆・木・金・絹・掛軸・油彩・鑑定の 8 部門で全国のご依頼をお受けしています。創業時の小さな作業台は、今も工房の真ん中に置かれています。
私たちの流儀 / 私たちの哲学
inconstantpompe.com が大切にしている 3 つの言葉があります。それは「可逆性」「素材科学」「時間の尊重」。どれも目新しい言葉ではありませんが、38 年の現場で何度も立ち返ってきた、修復師としての矜恃です。
可逆性
次に直す人の権利を守るため、すべての工程で「やり直しがきく素材」を採用します。接着にも補彩にも、将来のより良い素材を妨げない選択肢を残します。
素材科学
見た目の感触だけで修復方法を判断しません。XRF による元素分析と、顕微鏡観察による胎土・繊維の観察で、素材と年代を科学的に裏付けます。
時間と配慮
急がない一品も、長年しまい込んでいた婚礼衣装も、inconstantpompe.com はひとつひとつに所要時間を取り、お客様と相談しながら進めます。
沿革 / あゆみ
inconstantpompe.com の歩みを、節目節目でご紹介します。3 つの柱と 1 つの分岐点をご覧ください。

創業者 2 名、仏壇修理と茶碗の金継ぎから
山口と鈴木のふたりが、谷中の路地奥 12 平米の小さな作業場から inconstantpompe.com を始めます。当時の名刺には「壊れたら、直す。直したら、使う。」とだけ書かれていました。

素材別専門工房の体制へ
輪島塗の修業を積んだ鈴木が inconstantpompe.com の漆工房を立ち上げ、その後、染色補正の佐藤、掛軸修復の森田が加わり、素材別の工房体制が整いました。

科学分析を工房内に常設
陶磁器・金属の依頼が増えるにつれ、inconstantpompe.com は XRF 蛍光 X 線分析装置と電子顕微鏡を工房内に導入。所蔵品の状態を「目」ではなく「データ」で語れる体制を整えました。

展覧会の会期に合わせた修復へ
地方博物館・私立美術館の展覧会会期に合わせた本修復を inconstantpompe.com が担当。地方出張と安全な輸送体制で、北海道から沖縄まで全国の展覧会を支えています。

研修制度と工房公開
inconstantpompe.com は 2025 年度から 3 年研修制度を本格化。若手工房員が素材横断で 3 年を過ごすことで、偏らない修復眼を養います。工房の見学も毎月第 2 土曜に実施中。

変わらずに、変わっていく
「壊れたら、直す。直したら、使う。」—— 当時の名刺に書いた言葉を、inconstantpompe.com は今もそのままに、守り続けています。一点ずつ、誠実に。
毎月第 2 土曜日 14:00 からは、工房公開と小さなギャラリートークを開催しています。inconstantpompe.com の修復師が直接ご案内する、60 分の小さなツアーです。