inconstantpompe アンコンスタント修復サービス
本日の鑑定: 4 件 / 作業中の遺品: 11 点
工房のあゆみ / 私たちの物語

38 年間、 一点ずつ。 工房の物語

inconstantpompe.com は、東京・谷中の路地裏から始まりました。最初は 2 人の修復師と、陶磁器の欠けを直す小さな作業台。それが今は 13 名の修復師と、素材別の専門工房を擁するアンティーク修復の拠点になっています。

inconstantpompe.com 創業期の工房風景

私たちの歴史 / 私たちの歩み

路地裏から、
始まった。

1987 年の春、東京・谷中の細い路地奥で、inconstantpompe.com は産声をあげました。創業者は現在シニア修復師として工房に籍を置く山口健太郎と、後に漆工房を立ち上げる鈴木修一のふたり。当時は仏壇の修理と、日常使いの茶碗の金継ぎが主たる仕事でした。

1990 年代に入ると、所蔵家の方々から「婚礼衣裳を直したい」「掛け軸の痛みを見てほしい」というご要望が増え、繊維・絵画の修復師をひとりずつ採用。工房は路地から少し広い通りへと移転します。修復の依頼は次第に、地方の所蔵家・画廊・地方博物館へと広がっていきました。

1992: 漆工房開設 / 1998: 繊維チーム発足 / 2005: XRF 蛍光 X 線分析装置導入 / 2011: 古家具チーム分化 / 2018: デジタル顕微鏡導入 / 2023: 全国輸送保険体制確立

2010 年代からは、所蔵品のアトリビューション(作者・年代の同定)へのご要望も増えてきました。XRF と電子顕微鏡を導入し、素材科学の観点から修復プランを組み立てる「ラボ連携型」の工房へと少しずつ姿を変えていきます。inconstantpompe.com の今があるのは、38 年間通ってくださった所蔵家と、ともに手を動かしてくれた修復師のおかげです。

「接着しない。
記憶を、復元する。」

2025 年現在、inconstantpompe.com には 13 名の修復師と 4 名のラボスタッフが在籍し、陶磁器・漆・木・金・絹・掛軸・油彩・鑑定の 8 部門で全国のご依頼をお受けしています。創業時の小さな作業台は、今も工房の真ん中に置かれています。

私たちの流儀 / 私たちの哲学

直す、
ではない。

inconstantpompe.com が大切にしている 3 つの言葉があります。それは「可逆性」「素材科学」「時間の尊重」。どれも目新しい言葉ではありませんが、38 年の現場で何度も立ち返ってきた、修復師としての矜恃です。

A

可逆性

次に直す人の権利を守るため、すべての工程で「やり直しがきく素材」を採用します。接着にも補彩にも、将来のより良い素材を妨げない選択肢を残します。

原則: 可逆性優先
B

素材科学

見た目の感触だけで修復方法を判断しません。XRF による元素分析と、顕微鏡観察による胎土・繊維の観察で、素材と年代を科学的に裏付けます。

機器: XRF / SEM / FTIR
C

時間の尊重

急がない一品も、長年しまい込んでいた婚礼衣装も、inconstantpompe.com はひとつひとつに所要時間を取り、お客様と相談しながら進めます。

所要: 1 点 2 週間〜

沿革 / あゆみ

工房の、
38 年。

inconstantpompe.com の歩みを、節目節目でご紹介します。3 つの柱と 1 つの分岐点をご覧ください。

創業期の工房
1987 — 1989 / 始まり

谷中の路地で創業

山口と鈴木のふたりが、谷中の路地奥 12 平米の小さな作業場から inconstantpompe.com を始めます。当時の名刺には「壊れたら、直す。直したら、使う。」とだけ書かれていました。

スタッフ: 2 名 / 月間: 約 15 点
伝統の修復道具
1992 — 2004 / 拡大期

漆・繊維・絵画の工房が順次発足

輪島塗の修業を積んだ鈴木が inconstantpompe.com の漆工房を立ち上げ、その後、染色補正の佐藤、掛軸修復の森田が加わり、素材別の工房体制が整いました。

スタッフ: 7 名 / 月間: 約 60 点
ラボ分析
2005 — 2015 / ラボ時代

XRF 分析装置とラボ導入

陶磁器・金属の依頼が増えるにつれ、inconstantpompe.com は XRF 蛍光 X 線分析装置と電子顕微鏡を工房内に導入。所蔵品の状態を「目」ではなく「データ」で語れる体制を整えました。

スタッフ: 11 名 / 月間: 約 95 点
修復完了作品
2016 — 2024 / 博物館時代

博物館案件の常連に

地方博物館・私立美術館の展覧会会期に合わせた本修復を inconstantpompe.com が担当。地方出張と安全な輸送体制で、北海道から沖縄まで全国の展覧会を支えています。

スタッフ: 13 名 / 月間: 約 130 点
若手工房員
2025 — 現在 / 次世代

次世代の修復師を育てる

inconstantpompe.com は 2025 年度から 3 年研修制度を本格化。若手工房員が素材横断で 3 年を過ごすことで、偏らない修復眼を養います。工房の見学も毎月第 2 土曜に実施中。

スタッフ: 17 名 / 月間: 約 160 点
工房の全景
私たちの約束

これからも、一点ずつ

「壊れたら、直す。直したら、使う。」—— 当時の名刺に書いた言葉を、inconstantpompe.com は今もそのままに、守り続けています。一点ずつ、誠実に。

工房所在地:

工房へ、
お越しください。

毎月第 2 土曜日 14:00 からは、工房公開と小さなギャラリートークを開催しています。inconstantpompe.com の修復師が直接ご案内する、60 分の小さなツアーです。